人の手で磨き上げられる希少な高級革「革のダイヤモンド」と称される「コードバン」

しっとりとした艶のある質感と、キメの細やかな表情を持つ「コードバン」。その見た目の美しさから「革のダイヤモンド」「キングオブレザー」と呼ばれています。美しさはもちろんですが、この名前で呼ばれる大きな要因は「希少性の高さ」から。
希少性の高さの理由に、まずは入手の難しさが挙げられます。コードバンは繊維が緻密な農耕馬の臀部から採られ、一頭から採れる量はほんのわずか。一ヶ月で数千頭分しか採取できない上、臀部という限られた部位のため、一枚の革から財布などの小物が2〜3個作れるのがやっとなのです。
さらに加工の難しさも要因のひとつ。日本国内では極々限られたタンナーしか作ることができません。「コードバン」の艶やかな表面、実はこの美しさは高度な加工の技術があってこそのもの。他の皮のように鞣し後、そのままの状態なわけではないのです。タンナーは機械を使って表面を削り、わずか1〜2mmほどしかない「コードバン層」という繊維が緻密な部分を表面に引き出します。さらに瑪瑙(めのう)などを用いて表面を磨き、艶々と上品に輝く美しい表面を作り出すのです。加工が終わるまでには10ヶ月近くもかかることも。素材の良さと人の技術、その双方が見事に合わさって生み出される、まさに革の王様です。

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繊細な見た目だけれど耐久性は抜群 コードバンの特性

いつまでも触れていたくなるしっとりとした触り心地と、品のある艶。繊維の緻密さが生み出すこの魅力は、強度の高さというメリットにもつながっています。その強度は牛革の2〜3倍にもなるのだとか。また傷にも強いと言われています。引き締まっているため堅いのですが、ただ堅いだけではなく優雅なしなやかさも持ち合わせており、その点も「コードバン」ならではの特性と呼べます。

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小物に光るコードバンの魅力

ヌメなどの革と違い大きく革を採れないこともあり、「コードバン」の多くは小物に加工されます。品良くラグジュアリーな雰囲気を与えてくれ、紳士用のローファーや財布、名刺入れなどに加工されています。老舗ブランドなども多く「コードバン」を使用しているので、見たことがあるという方も多いかもしれません。
前章でお伝えしましたが、「コードバン」は堅さとしなやかさを持ち合わせた革。そのため靴などに加工された場合、耐久性の高さと特有のフィット感を生み出してくれます。またお財布や名刺入れなどの場合、なんといっても見た目の美しさが生み出す上品さ、また柔らかな男らしさに惹かれる男性も多いようです。「革のダイヤモンド」という異名を持つだけあって、まるで宝石を手にするかのように、持つだけでワンランク上の品格を与えてくれます。
そして「コードバン」はその堅さゆえに縫製にたいへん技術のいる革。そのため加工する職人も腕の見せどころです。「コードバン」本来の価値の高さとさらに加工技術の高度さで、「コードバン」の製品は男性の憧れとも呼べる代物になっています。

丁寧に使えば長年の相棒に

耐久性の高さから丁寧に使えば何十年と使うことができるのも「コードバン」の魅力です。また使い続けることにより一段と艶が出て、透明感を増してゆきます。他の革に比べると極端に水に弱いという弱点を持ちますが、長年使ってゆくためには休ませる時間が必要なのはどの革とて同じこと。雨の日などは使わず、ここぞという時に使って、じっくり経年変化を楽しむのも乙なものではないでしょうか。

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