エナメル加工された天然皮革「パテントレザー」、美しい光沢感が特徴

「パテントレザー」=「エナメル革」

パテントレザーとは、革の表面にウレタン樹脂などでコーティング(エナメル加工)を施した加工皮革のことをいいます。パテントレザーと聞いてピンとこなかった方でもエナメル加工された天然皮革だと言われたらイメージがつきやすいのではないでしょうか。
パテントレザーという名前は、1810年代にアメリカの発明家が「水や汚れに強い革」を作ろうとして開発し特許をとったという経緯から、英語で「特許」を意味する「patent」を用いて「patent leather」と呼ばれています。

革を守るためのコーティング

パテントレザーは革の表面をコーティングすることで、光沢性と耐久性を持たせています。これは、革を長持ちさせるためのコーティングなのですが、それ故に他の天然皮革のような経年変化を楽しむことはできません。ウレタン樹脂コーティングされた革は、使い込むうちに柔らかくなったりはしませんが、定期的に手入れさえしていれば、新品のような光沢感を維持することができます。つまり、パテントレザーは、変化ではなく無変化を楽しむ革なのです。
パテントレザーのピカピカとした光沢感は、一般的にはフォーマルな場によく合うと言われています。舞踏会で相手のドレスを靴墨で汚さずに済むことから、重宝されたという一説があるほどフォーマルな場、とりわけパーティーシーンなどでパテントレザーの革靴が履かれています。

耐久性があるからといっても注意が必要

光沢感がありツルツルとしているため汚れが目立ちにくい革ではありますが、それでも汚れないわけではありません。汚れに関しては、他の革と同様に時間が経つほど落ちにくくなるので、パテントレザーも定期的な手入れが必要となります。
手入れをする上で、特に注意が必要なのが「コーティングのひび割れ」です。パテントレザーを使用した革靴は、コーティングによって断面が厚くなっているため、履きジワが入りやすくなっています。そのシワからひび割れが起きてしまうので、脱いだあとはシューズキーパーを入れて履きジワを伸ばすことを意識しましょう。パテントレザーは、一度ひび割れが起きてしまうと修復不可能になってしまうので注意が必要です。しかし、最低限のお手入れ方法をマスターしておけば、パテントレザーは「メンテナンスフリー」と言われるほど、手入れが簡単なレザーです。

パテントレザーの保管方法

パテントレザー

パテントレザーのお手入れは、日頃から汚れを落としておくだけで大丈夫です。大事なのは、その保管方法。履きジワをシューツリーで伸ばすことはもちろんですが、注意しなければいけないことがもう一つあります。
それは湿度です。パテントレザーのウレタン樹脂は熱に弱いため、劣化して溶け出すことがあります。それ故、日本の高温多湿の気候に適していないと言われています。保管場所の温度や湿度に気をつけていないと、表面の樹脂がベタついてきたり、隣り合った他の製品にくっついてしまったりということも起こります。お気に入りの一品を台無しにしないためには、手入れだけではなく保管方法にも注意を払うといいですよ。

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