高級品によく使われる「ヌバック」、毛並みが短く上品な起毛革

名前の由来は希少皮革である「バックスキン」から

バックスキンがどんな革か分かりますか?。
スウェードを含めた起毛革の総称として、バックスキンという名前を使う人がいます。。
スウェードは起毛革の中でもっとも知られているのに加え、革の裏面を加工して作られるので、「バックスキン=裏革」だと勘違いしてしまうのでしょう。ですが、もちろんこれは間違いです。バックスキンの本当の意味は牡鹿の皮の銀面(表皮)をサンドペーパーややすりで漉(す)いてビロード状に起毛させた加工皮革のことです。つまり、「バックスキン=鹿革」なんですね。この牡鹿の皮は希少皮革であるため、バックスキンは高級品によく使用されています。 「ヌバック」は、バックスキンを意識して作られた加工皮革であるため、「新しいバックスキン」という意味の「neobuck」という言葉から「nubuck」と呼ばれるようになったと言われています。

毛足の短さが上品な風合いを生み出す

ヌバック

バックスキンで用いられるものは牡鹿の皮ですが、ヌバックでは、主に牛革が使用されます。使用する革が異なるだけで、加工の方法はバックスキンと変わらず革の銀面をサンドペーパーややすりなどで削り、繊維質を起毛させます。
ヌバック製品は、そのしなやかさと柔らかい肌触りから高級品に使われることが多い革です。同じ起毛革である「スウェード」と混同されることが多いですが、皮の裏面を起毛加工させているのがスウェード、皮の表面を起毛加工させているヌバックです。スウェードとヌバックを比べてみると毛足の長さが異なります。というのも、スウェードは皮の裏面である肉面を加工しています。肉面は凸凹しているので起毛しやすく、長めの毛足になるのです。一方のヌバックは、はじめからキメの細かい部分を使用するため、スウェードと比べて毛足が短くなります。
毛足が短いヌバックは、スウェードと比べるとツヤがあり毛並みもなめらかです。キメが細かく毛穴も目立たないヌバックには、ややマットな風合いがあり、その風合いがヌバック製品に上品な印象を与えます。

さまざまなアイテムに使われるヌバック

ヌバック

革として厚みのある加工ができるヌバックは、靴のアッパー部分などによく使われます。高級靴やパンプスはもちろん、靴以外ではバッグなどにも使用される人気の革です。
また、高級品の上品なイメージとは異なり、実はアウトドア製品にも使われています。起毛系の革は汚れなどが革の奥まで浸透しにくいので、日々汚れと戦う必要があるアウトドア用品にはもってこいなのです。そうした理由からヌバックにオイルを染み込ませて防水効果を持たせた「オイルドヌバック」は、アウトドア用のシューズやワークブーツなどによく使われています。上品さとタフさを併せ持った雰囲気がヌバックの魅力です。

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