専門店でおこなってもらえる色落ち補修

バッグを預けずにできる対処法

長年愛用していると気になってくる、バッグの色落ちやキズ。ある程度なら家庭で対処することもできますが、しっかり補修しようと思ったら、やはり専門店に持っていくのがベストです。仮にもし専門店に持ち込んだとしたら、どのようにして色落ちやキズを目立たなくしてくれるのでしょうか。今回はそんなことを探ってみたいと思います。お話を伺ったのは、大手チェーン店、個人店という異なるタイプのお店で革修理の技を磨き、2016年9月に「革地屋」をオープンさせた代表の深澤昌弘さん。

まずはお店にバッグを預けず、応急処置としておこなってくれるのが、「ラナパー」というクリームを塗る方法です。このクリームを使えば、多少なりとも傷を隠すことができます。ラナパーは市販されていますので、買ってきて自宅で塗ることも可能。ただ、かなり脂っぽいので部分的に使うに留め、バッグ全体に塗らないよう注意しましょう。

専門店でおこなってもらえる色落ち補修


プロの技でバッグが見事に復活

さて、今度はお店に預けて補修してもらう場合です。お店では色落ちやキズを目立たなくするために「染め剤」を染み込ませるため、革のなかまでキレイにする「クリーニング」をおこないます。 使用する洗剤は革によって変わってきますが、使う水はどの革を洗うときも同じで「オゾン水」というものを使用。オゾン水は濃度管理をすれば革や人体に無害なうえ、殺菌効果があります。オゾン水と洗剤を使って革の繊維のなかまでしっかり汚れを落としたら、今度は乾燥させます。

乾燥に必要な日数はおよそ2〜3日。革がきちんと乾いたことが確認できたら、いよいよ染め剤を使って染めていきます。スプレーガンを使ってもいいのですが、そうすると膜を張ってしまう可能性があるため、革地屋では筆を使って染めていきます。

色はバッグに合わせて店で調合。購入時の色合いに近いトーンを出すには、知識と経験が物をいいます。また、色によっては再現できないものもあるほか、染め剤を塗ることで革の色が変化する可能性も。その店ではどういう色味に仕上がるのか、バッグを預ける前に確認することをお勧めします。「やってみないとわからない」という店の場合は、避けたほうが無難かもしれません。

専門店でおこなってもらえる色落ち補修

専門店でおこなってもらえる色落ち補修


補修に必要な期間はおよそ2週間

修理に要する期間ですが、クリーニングだけの場合は約1週間、染めまでおこなう場合はプラス1週間。また、価格はバッグの大きさによって異なり、革地屋の場合、Mサイズ(35〜60cm)だとクリーニングのみで6,000円〜、クリーニング+部分補色で7,000円〜となっています。

こちらがクリーニングと部分補色を終えたバッグです。キレイに仕上がっていますよね。靴は1年に1回クリーニングに出すのが目安ですが、バッグは2〜3年に1回が目安。たとえば、私たちがよく行く飲食店では脂をまとったホコリが舞っているなど、バッグも案外汚れているものです。長く愛用するためには、定期的なメンテナンスを心がけましょう。

専門店でおこなってもらえる色落ち補修


お話を伺った人
深澤昌弘さん
高校時代よりファッションが好きで、なかでも靴に興味を持つ。大学卒業後はアパレルブランドに就職するものの、靴への想いが日増しに強くなり、革修理の大手チェーン店に転職、技術を磨く。その後、個人店でも研鑽を積み、2016年、東京・田端に「革地屋」をオープン。革製品を愛するからこそ情報収集などに余念がなく、幅広い提案ができるのが強み。

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