似て非なるシボ革の色々。あなたはどちら派?

革製品でよく目にする「シボ」。オーストリッチのような元々特長としてみられる革を除き、牛革などの鞣し過程において加工されるシボについてお話ししたいと思います。シボは、ちりめん状の細かいシワ模様のことを指しますが、一般的には「シュリンク」と「空打ち」と言われる手法で加工されます。シュリンクは薬剤にて収縮するため、目の詰まったシボで若干プリっと膨らみがあります。いっぽう、空打ちは回転ドラムの中で線維をほぐしながら徐々にシワをつけていくので、不規則で大きめのシボ模様が表現されます。革製品の雰囲気で好みは異なるものの、その多くは100年程前にドイツで開発されたとされる、塩基性硫酸クロムと呼ばれる化学薬品を使ったクロム鞣しによるものです。見た目も美しく、変色や変化がしにくい。長きに渡って製品クオリティが保たれることから、世界中の高級ブランドがよく使用していますね。その一方で、植物タンニン鞣しでありながら型押しによってシボを表現して、その上エイジングを楽しめるという革も存在します。ここでは、MLSにて取り扱いしている製品にて、同じシボでも「植物タンニン鞣し」と「クロム鞣し」の鞣し加工違いで比べてみたいと思います!


植物タンニン鞣し&型押しシボ

植物タンニン鞣し&型押しシボ

不規則な天然のシボと異なる、均一な表情の植物タンニン鞣し革であるイタリア·コンチェリア800社の「Beluga(ベルーガ)」。1970年代後半にポンテ·ア·エゴラで創立した後、さらなる上質な革の製造を求めて、トスカーナ州サンタ·クローチェ·スル·アルノに拠点を移した、イタリアの名門タンナー、Conceria800(コンチェリア·オットチェント)社の代表的な革「ベルーガ」。フランス産の高級原皮を使用し、イタリアの伝統製法であるバケッタ製法で作られた植物タンニン鞣し革です。バケッタ製法は、1000年以上の歴史を有する古代のタンニン鞣し製法と言われ、牛脂を含んだオイルを革の内部にまで浸透させ、留まるまでゆっくりと丁寧に時間をかけて染み込ませることで、素材を商品化させて使用を終えるまで永久と言えるくらいに潤いとツヤを楽しむことができる究極の革です。そして、丁寧に鞣された植物タンニン鞣し革に、型押しのシボ加工を施しているので、天然の不規則なシボと異なり、美しく規則正しい表面の凹凸が表現されるのです。素材自体から発するオイルでケアしながら、シボ模様のおかげで長年使い続けてもキズが目立ちにくく、渋くエイジングが味わえるのが魅力です。MLSでは、素材と色彩の魔術師とも言われる革職人·西森氏によるブランド、Crevaleathco(クレバレスコ)より、 近年人気の高いL字ジップハーフウォレット(CL-BL-LZHW-01)がリリースされていますので、ぜひチェックしてみてください!


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クロム鞣し&薬品による収縮シボ(シュリンク)

クロム鞣し&薬品による収縮シボ(シュリンク)

優しいツヤを生む、ふっくらと弾力のあるシボが美しい、近年ジャパンレザーブランドでも人気のある高級皮革、ドイツ·ペリンガー社製「Shrunken Calf(シュランケンカーフ)」をご紹介します。1864年創業の歴史と伝統を誇るドイツのタンナー、ペリンガー社で鞣された「シュランケンカーフ」は、カーフ専門のクロム鞣しにおいては世界最高峰と言われる高品質を誇り、世界中のトップメゾンにも愛されて提供していることでも有名です。排水処理施設の完備や、牛の食料・飼育施設の把握など生産環境への配慮を徹底しているペリンガー社で、独自のクロム鞣し・仕上げ・染料と顔料による染色技法によって仕上げられ、はっきりとした華やかな色を実現しています。革の収縮によって生まれるシボは、薬剤に漬け込んで原皮の大きさから約20%の収縮を踏まえることで、ギュッと締まったような質感と優しい光沢感を作り出しています。しなやかそうに見えて、一定のコシがあるので型崩れしにくく、独特の気持ちの良い肌触りが魅力です!MLSでは『CIMABUE graceful』より、ラウンドジップ長財布(C15145)やその他複数のアイテムを取り揃えています。男性的なダークなカラー以外にも、明るい発色のカラーもありますので女性へのプレゼントにも良いですね!2019年春の時点では、どれも数少なくなってきましたので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください!


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