高崎 真行

MASAYUKI TAKASAKI
Alt81代表

1980年生まれ。鞄ブランドでの経験を経て、2012年より
「日本の考え方を形にする」というコンセプトのもと
皮革ブランド「Alt81」を開始。

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ご挨拶

メンズレザーマガジンをご覧の皆様、はじめまして。これからこちらで不定期に文章を書かせていただきます、高崎と申します。 「Alt81」という皮革製品ブランドの責任者をしています。が、こちらでは一個人として革や革製品、それを作る職人の魅力に ついて個人的な見方をできるだけ楽しんでいただけるように書かせていただければな、と思っています。 どうぞよろしくお願いします。

ところで皆さん、革製品はお持ちですよね?世の中に出回っている革の多くが牛革なので、おそらく牛革製品が多いと思います。ではなぜ牛革が一番多いのでしょうか。答えが一つではないのですが、根幹の理由に「牛が人間にとって最も近くでお世話になっている動物だから」というものがあります。 たまに「革を作るために牛を育ててる。動物虐待だ」という声を耳にするのですが、それはほとんどないと思います。 なぜなら、牛で一番価値のあるのはお肉だからです。革というのはお肉をいただいた後に、捨てるのが勿体ないのでいただく「副産物」なわけです。 ちなみに、皮と肉に分ける際に使われる「解体」という漢字の「解」をよくみると、「牛・角・刀」という漢字でできていたりします。 牛が身近な生き物であるというのがよくわかりますよね。

そんな一般的と言われる牛革ですが、ざっくりと生後6か月までのものを「カーフ」、2歳以内を「キップ」、去勢された雄牛の2歳以上を「ステア」と呼び、去勢されてない3歳以上雄牛を「ブル」、2年以上の子を産んだ雌牛を「カウ」と呼んでます。それとは別に部位によっても呼称が異なり、肩周りの革を「ショルダー」、お腹周りを「ベリー」、背中周り~お尻周りにかけて「ベンズ」や「バット」と呼びます。さらにそれとは別に革には様々な表情があり、シワの跡である「トラ」、血管の「チスジ」、毛穴の「ピンホール」、皮膚の凹凸(シワ)でもある「シボ」、キズ痕の「バラキズ」などが入ってきます。

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(上画像)同じ商品でも使う場所によって商品の見た目が違ってしまう例。これを楽しめるかどうかで革の世界の奥行が大きく変わってきます。

ここまで読んでお分かりかと思いますが、単純に「牛革」といっても色々な呼称があり、その違いによって革の見た目や感触も変わってくるのです。革製品を選ぶ際は何革なのかを気にすると同時に、部位はどこの部位を使っていて、どういった表情が入っているのかに着目すると、より面白いわけですね。例えばお店の人に「カーフのショルダーでトラのあるラウンドの束入れはありますか?」なんてことを言えるようになるとなんだかツウな感じに聞こえますし。でも、実際にこの手の用語を使うとお店の人にきょとんとした顔をされるか、「共通の話ができる人、発見!」と嬉々として答えてくるかのどちらかなので、実際には使わないほうが無難です。前者はそこで話が途切れるのでまだよいのですが、後者はその後、なめしや仕上げ加工などの話になってしまい10分くらいの滞在の予定が、いつのまにか1時間経過してしまった、ということもありますので。ちなみに革を作る際に使用している薬品や油脂の話にまでなってしまった場合は、素早く逃げましょう。それは2時間コースです。

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