革靴を修理して長く履く

突然ですが、靴の修理店、利用したことありますか?革靴のカカトやつま先、どうしてもすぐにすり減ってきますよね。特に気に入った靴だと、捨てるにしのびず、困るなんてことも。しっかりと相談できる職人さんと出会えると、お気に入りの靴がきれいに蘇りますよ!

靴の作りと、オールソール交換

MLM_P084_B.jpg

まずは一般的な革靴の作りである、グッドイヤーウェルテッド製法、マッケイ製法、セメンテッド製法をご紹介します。作りとしては、どれも一長一短があり、究極的に優れたものがあるわけではありません。何が違うかというと、アッパー(甲革)と靴底のジョイント方法に違いがあります。
グッドイヤーウェルテッド製法は、中底に取り付けられたリブに、ウェルトをすくい縫いで縫いつけ、そのウェルトと本底を縫い合わせる製法となります。マッケイ製法はアッパーと中底、本底を一度に縫い合わせる製法。セメンテッド製法は、純粋に接着のみでアッパー、中底、本底をジョイントします。
作りとしては違うものの、靴修理においては、どれも極端な違いはなくオールソール交換が可能です。ただ、グッドイヤーウェルテッド製法に関しては、ウェルトの交換まで含めれば、かなりの回数、靴底全体の交換が可能です。それに対し、マッケイ製法に関しては、オールソール交換のたび、中底を縫わなくてはならないため、どうしても中底が傷んでしまいます。中底の交換も不可能ではありませんが、きちっとした形で仕上げるのが非常に難しいため、現実的には2回から3回程度が限界かと思われます。セメンテッド製法に関しては、アッパーと本底の接着面を、しっかり下処理しなければならないため、アッパー側を削るような作業をします。そのため、こちらもマッケイ製法同様、2回から3回程度が修理の限界になります。

革靴を長く履くには

靴底全体のオールソール交換に関しては、上記のようにある程度の回数による限界があります。グッドイヤーウェルテッド製法に関しても、ウェルトの交換まで含めると、かなり高額な修理代金となるため、出来る限りオールソール交換の回数は減らしていくことが、革靴を長く履く一つのポイントになるかと思います。そのためには、かかとのトップリフトに関しては、積み上げにかかる前に修理をすることをおススメします。積み上げの交換も、もちろん可能ですが、中底や本底に釘を打ち固定するため、出来る限り回数を減らすのが得策です。また、つま先側のソールに関しては、ハーフラバーを貼ることで、特にレザーソールに比べると耐摩耗性が、非常に高くなります。また、ハーフラバーの張替は、オールソール交換に比べ靴への負担が少ないので、繰り返し行うことが出来ます。
ハーフラバーに関しては賛否両論あり、レザーソール特有の通気性が失われる、返りが悪くなりアッパーに負担がかかる、という意見を散見しますが、私の経験から言えば、物理的に極端な蒸れや、返りが悪くなることでの悪影響というものは、ほぼありません。
ただ、せっかくのレザーソールに、あえてゴムを貼ること自体への心理面での抵抗は、大いにわかります。この辺りは、ここ一番しか履かない靴であれば貼る必要はないかと思いますし、デイリーユーズで使われる靴であれば、ハーフラバーを取り付ければ良いのではないでしょうか?

さいごに

気に入った革靴、少しでも長くきれいな状態で履きたいですよね。ご自身で出来るお手入れでは、行き届かないところも靴修理のプロに任せることで綺麗に直すことが出来ます。革靴は必要なお手入れと、修理を繰り返すことで10年、場合によってはもっと長く愛用できます。

JAPAN LEATHER BRAND“Mens Leather Magazine”がオススメする本物志向のレザーブランド

Official SNS

Copyright© Mens Leather Magazine. All Rights Reserved.

当サイトに掲載されている記事・写真の無断転載を禁じます。