存在感ある光沢を放つ、「ガラスレザー」

まるで「エナメル」のように艶々とした光沢を放つ「ガラスレザー」。よく間違える方が多いのですが「ガラスレザー」が「ガラス」と呼ばれている理由は「ガラスのような艶々とした見た目をしているから」ではありません。その名前の由来は製造工程をご説明すればお分かりいただけると思います。まず主に成牛の皮をクロムで鞣し、その後ガラス板やホーロー加工した鉄板に張り付け、乾燥させています。この工程から「ガラスレザー」と呼ばれているのです。その後表面を削り、合成塗料などを使って光沢を出し、スムース調の均一な表面に仕上げています。表面を削ることによって皮に元々あった傷や汚れなどを目立たなくさせることができ、比較的安価で手に入れることができます。

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ガラスレザーの特徴

特徴は、なんと言ってもつやりとした光沢感に満ちた表面の艶です。塗料が塗ってあるものの場合毛穴など一切見えず、非常に均一な表情をしています。革らしい素朴な雰囲気はありませんが、ビジネス用など、綺麗な格好でまとめたい時などは重宝します。

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ガラスレザーのメリット、デメリット

合成塗料でコーティングされていることでのメリット、デメリットについてご説明します。まずメリットですが、塗料のおかげで撥水性が高いため水に強く、またケアなどを必要としないため、面倒があまりありません。そして耐久性が高いため、普段革アイテムを使わない方など、初心者の方に向いていると言えます。次にデメリットですが、履き込むうちに出来てくるシワが直らないという難点があります。そしてオイルなども浸透しにくいため、シワから段々とヒビ割れを起こし、劣化してしまうという危険性も。もちろん使われている革の種類などによって異なりますので、一概には言えません。

パテントレザー(エナメル革)との違い

「パテントレザー」に似ているといっていますが、では「ガラスレザー」と「パテントレザー」との違いは一体何なのでしょうか。「パテントレザー」はウレタン樹脂でコーティングした革のことを指し、「ガラスレザー」は合成樹脂でコーティングされているので、コーティングに使用する樹脂の種類が異なることが挙げられます。ただ、厳密にいえば「ガラスレザー」の定義には樹脂でコーティングされていることは含まれません。しかし多くが樹脂でコーティングされていますので、パテントレザーと混同されやすいのです。その他「パテントレザー」は「ガラスレザー」のように鞣しの際にガラス板やホーロー加工した鉄板などは用いません。また「パテントレザー」は皮の表面をオイルなどで処理はするものの、「ガラスレザー」のように削ったりはしません。

学生用のローファーなど、革初心者におすすめ

前述の通り「ガラスレザー」は皮の表面を削るため、傷などが付いている皮も材料にすることができるので、手頃な値段で売られているアイテムor 商品が多く、どなたにでも手に入れやすいといえます。その他お手入などが必要ないことから、学生用のローファーや若い人用のビジネスシューズなどとしてよく販売され、需要があります。日頃の汚れ落とし以外のケアが必要ないのは扱いやすく利点ですが、一方で一度ヒビ割れを起こすとリカバーできず、寿命が短くなってしまう場合もあります。使用されている革の種類や、樹脂の種類によって異なるので一概には言えませんが、長年ずっと使うというよりは、安価に手に入れ履き替えてゆくという考えで使用する方が多いようです。

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