学生時代に履いた「ローファー」に代表されるガラスレザー。水をはじく耐久性の強さと強い光沢が特徴で、ビジネス靴にも多く使われています。ガラスレザーと呼ばれるのは、なめした牛革をガラス状の板に貼りつけ乾燥させて作るから。革の表面(銀面)を紙やすりでこすり、表面を合成樹脂などで塗装して仕上げます。
ガラスレザーの魅力は何といってもその丈夫さ。塗装されることで革がかたく強くなり、汚れや水を染み込ませません。雨の日に履いても安心なので、使い勝手のいい靴として一足は持っているというビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。
一方、油分も入り込まないため、革としての風合い(エイジング)を楽しむには向かない革と言えるでしょう。
「ガラスレザーは手入れも簡単で、失敗することがほとんどない」と話すのは、靴とバッグの修理店doek店主・高見雅治さん。丈夫な靴をさらに長く履き続けるため、ケア方法を聞きました。
お手入れするガラスレザーアイテム
ガラスレザーを使用したローファー。履きジワがだいぶ入っています。こちらの右足を使って。お手入れの手順をご紹介します。
スウェードのお手入れアイテム
画像左から:乾拭き用の布(フリース素材がおすすめ)/ 柔らかい布 / 皮革用ローション
お手入れ手順
1. シューズキーパーを入れてシワを伸ばします。
2. 人差し指に巻いた布に皮革用ローションを2cm出します。
3. 革全体に塗り込みます。
4. 仕上げに乾拭き用の布で磨いて、光沢を出します。革の表面の細かい凹凸がロウで埋まれば、自然にツヤが出てきます。
お手入れ完了
お話を伺った人
大学卒業後、国内バッグメーカーに6年間勤務。独立開業を目指し、都内百貨店の靴修理工房に転職、高級紳士靴の修理業を学ぶ。その後、靴修理をメインとしたライフスタイルショップの店長を務め、2014年に独立。靴とバッグの修理店doekをオープン。皮革製品の修理、メンテナンス業務を行っている。
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