革の財布をポケットに入れたまま洗濯しちゃった!? 革ケア失敗の対処法

大切な革の小物を洗濯しちゃった! そんなピンチのとき、どうリカバリーすればよいのでしょう。答えてくれたのは、靴とバッグの修理店doek店主・高見雅治さん。高見さんは国内バッグメーカーに6年間勤務したのち、百貨店の靴修理工房で高級紳士靴の修理業を学んだ、皮革製品の修理・メンテナンスのプロ。自宅で簡単にできるお手入れ法を教えてもらいました。

失敗ケース「革製品を洗濯してしまいました」「革がびしょ濡れになってしまいました」

財布を洗ってしまった場合、中に入っていたカードやお札の行方もかなり気になりますが、それは置いておくとして......。すっかり濡れてしまった革製品の基本のケアは「形を整えて陰干し」です。
洗濯してしまった場合、洗濯用洗剤が油分をとってしまいます。そこで、油分をしっかり塗り込んで、潤いを補うデリケートクリームを必ず用意しましょう。

リカバリーアイテム

油分をしっかり補う「デリケートクリーム」
ツヤを出す「アニリン・カーフ(ANILINE CALF)クリーム」、あるいは「皮革用ローション」

お手入れ方法

1. 革は濡れると伸びるので、製品の形を整えて、陰干しします。

革の財布をポケットに入れたまま洗濯しちゃった!? 革ケア失敗の対処法

二つ折り財布なら、立たせて、シワになる部分が極力少ない状態で干しましょう。バッグなら、新聞紙を入れて形を整えたまま、陰干しします。

2. 乾いたらすぐにデリケートクリームを塗り込み、油分を革に染み込ませます。

革の財布をポケットに入れたまま洗濯しちゃった!? 革ケア失敗の対処法

洗剤で革の油分が落ちてしまっているので、通常のお手入れよりもたっぷり使いましょう。

3. アニリン・カーフクリームや、皮革用ローションを塗ります。

革の財布をポケットに入れたまま洗濯しちゃった!? 革ケア失敗の対処法

油分の補給は、デリケートクリームで十分です。しかし、ツヤを出すためにはデリケートクリームに加えて、アニリン・カーフか皮革用ローションを塗ってください。

4. ブラシでクリームを馴染ませたら完了です。

まとめ

革製品を洗濯してしまったとき、まず考えることは「洗剤による油分の抜け」ということを覚えておいてください。慌てずに、しっかり陰干しで乾かしたあとにご紹介した方法で油分を補給するケアをすれば問題はありません。
ちなみに、革靴やバッグが「急な雨でびしょ濡れになってしまった」という場合は、その革に応じた、いつものお手入れで大丈夫です。シューズキーパーを入れて、形を整えることを忘れないようにしましょう。また、靴や小物などを問わず、革製品が部分的に濡れてしまった場合は、その濡れに合わせて全体を濡らすようにしてください。部分的に濡れてしまうと、その部分だけ革の表面のオイルが抜け出てしまうため、全体のバランスが崩れシミになってしまいます。シミを作らないためには、革製品の全体を濡らすことでオイルを均等に抜き、その後乾いてからオイルを補給すること。ぜひ試してみてください。

お話を伺った人

お話を伺った人
大学卒業後、国内バッグメーカーに6年間勤務。独立開業を目指し、都内百貨店の靴修理工房に転職、高級紳士靴の修理業を学ぶ。その後、靴修理をメインとしたライフスタイルショップの店長を務め、2014年に独立。靴とバッグの修理店doekをオープン。皮革製品の修理、メンテナンス業務を行っている。

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