株式会社 二宮五郎商店

東京墨田区にある老舗レザーメーカーである二宮五郎商店にお伺いしました。二宮五郎商店は日本の伝統技術"風琴マチ技法"を継承しているレザーグッズ好きには名の知れた有名メーカです。当日は、代表の二宮眞一氏に貴重なお時間をいただき、自身のアトリエにてじっくりと製品についてのこだわりや構想、さらにはレザーブランドとしての職人育成や老舗ならではの今後のビジョンをお聞きしました！二宮五郎商店は、世界的ブランドのOEMを手がけたり、オリジナルブランド"ニノ・ワークス"の展開など、最新の設備を揃えた自社工房にて、クラシックスタイルでありながら、挑戦的なデザインを生み出す"匠"が生まれるメーカーです。これは二宮五郎商店の育成方法に秘密があるのです。多技能職人制度を採用しており、簡単に言うと、裁断・コバ漉き・縫製・仕上げに至るまで、一連の流れを一職人が手掛けているのです。また、採用する職人の多くは、革製品の制作に魅力を持ちながらも経験が無い、全くの未経験者を採用するそうです。代表は、何にも染まっていない真っ白なキャンバスを持つ若手が、育っていくことに生きがいを持っていると。同時に、愛情を注ぎながらも中途半端に挫折する者へは、職人のプライドとして工房を去ってもらうともおっしゃっていました。厳しい判断があるからこそ、製品を買っていただくお客様に喜んでもらえるんですね。

先に記載した"風琴マチ技法"とは、コトバとしてはあまり聞いたことがないと思います。風琴というコトバを分かりやすく変えるとアコーディオンです。皆さんも周知の蛇腹のように開閉するあれです。日本独自の伝統技法なのですが、顕著な特徴としては、"非常に薄いマチ"で、優れた使用感を味わえる点です。長財布でいえば、マチがあるにも関わらず薄くスタイリッシュな仕上がりであることと、カード部分の段が綺麗な直線を描き、厚さを感じさせないことです。風琴マチは、マチが外向きに折り畳まれているので、紙幣の端を傷めず出し入れできる優れた技術なのです。

特にドイツ"ボリスモリーニカーフシュリンク"を使った長財布は、革のダイヤモンドとも称されるホーウィンのシェルコードヴァンを贅沢に使っており、最高ランクに美しいといえます。二宮五郎商店の製品は、基本的に材料となる革はすべて完全オーダー仕様です。また、内装の布部分や、金具に至るまで各製品に合わせてリビルトするなどのこだわりです。レザーグッズ好きの方でも、こだわった先に最終的に二宮五郎商店のアイテムで落ち着くファンが多いと聞きます。気になった方は一度愛用してみてください！

株式会社 二宮五郎商店
住所：〒131-0032　東京都墨田区東向島3-30-8
TEL：03-3610-2038（代表）
FAX：03-3610-2039
限定品のみの販売サイト「ninomiya56」