ツヤ出す? 出さない? 革の味わい方に応じた、靴クリームの選び方

愛用の革製品を、自宅でお手入れできるようになりたい。そう思う革好きの方は多いのではないでしょうか。でも、種類や用途によって使うクリームもさまざま。何を使ったらいいのかわからず、ケアできないまま放置しがちです。
そこで、革ごとに使うべきクリームやお手入れアイテムを教えてもらうべく、靴とバッグの修理店doekを訪れました。店長の高見雅治さんは、国内バッグメーカーに6年間勤務したのち、百貨店の靴修理工房で高級紳士靴の修理業を学んだ、皮革製品の修理・メンテナンスのプロ。どんなお手入れ用品を選ぶべきか、アドバイスをもらいました。

さらっと仕上げるか、それともしっとり潤すか

さらっと仕上げるか、それともしっとり潤すか

オイルをしっかり補充したいオイルドレザーの靴から、さらっと仕上げたいヌメ革まで、革の特徴や使うシーンに応じて、ケア方法は変わります。 マットな風合いを楽しむオイルドレザーには、油分をたっぷり含んだミンクオイルが◎。お手入れあとはベタつきを感じますが、オイルが革を乾燥からしっかりと守ってくれます。
靴には靴専用のクリームを。重厚感のある光沢を与え、しっかりと補色し、靴を長持ちさせます。日常的に手にとる財布やバッグなどのアイテムは、服への色移りやベタつきが気になるので、油分と蝋の配合が少なめのデリケートクリームを使いましょう。

ツヤをおさえてナチュラルな仕上がりか、光沢を求めるか

ツヤをおさえてナチュラルな仕上がりか、光沢を求めるか

出したいツヤの加減によっても、選ぶアイテムは変わってきます。 画像の左から順に、デリケートクリーム、アニリン・カーフクリーム、皮革用ローション、シュークリーム、ワックスと並んでおり、左にいくほど「ツヤを抑える」、右にいくほど「ツヤが出る」ケア用品です。
ツヤをおさえ、革の自然な風合いを楽しみたい人はデリケートクリームがGOOD。自然な光沢を求めたいならアニリン・カーフクリームを選びましょう。さらにしっかり光沢を出したいときは、ロウ分が多く含まれる固形のワックスを持っておくといいでしょう。
足元に光沢があると、心もシャキッとするものです。お出かけ前の朝にお手入れできるとベストですが、クリームを塗らなくても、柔らかい馬毛のブラシでさっとブラッシングするだけでも違います。以前のお手入れ時に、ブラシの毛に残っているロウ分が革になじみ、自然なツヤが出るはずです。

革の特徴や実際に使うシーンを想定しながら、一つひとつの製品に合ったお手入れを心がけたいですね。

お話を伺った人

お話を伺った人
大学卒業後、国内バッグメーカーに6年間勤務。独立開業を目指し、都内百貨店の靴修理工房に転職、高級紳士靴の修理業を学ぶ。その後、靴修理をメインとしたライフスタイルショップの店長を務め、2014年に独立。靴とバッグの修理店doekをオープン。皮革製品の修理、メンテナンス業務を行っている。

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