ビジネスマンにとって靴は重要ポイントです。例えば、スーツをばっちり決めていても、靴が汚れていたら、相手にはマイナスな印象を与えてしまいます。しかし、汚れていなければそれでいいというわけでもなくTPOに応じた革靴の選択をしないと、たとえ靴がキレイでも結果的にはマイナスな印象を与えることもあるでしょう。
革靴の種類ごとに、それぞれに適したシーンや相手に与える印象について、スタイリストの中西ナオさんにお聞きしました。ビジネスシーンにおける革靴の正しい選び方を学びましょう。
ストレートチップ
黒のストレートチップは、一足持っているだけで冠婚葬祭すべてに対応可能なほど汎用性の高い革靴です。最初に購入するのなら、迷わずこれを選ぶといいでしょう。革靴には内羽根式、外羽根式とありますが、ストレートチップに限らず内羽根式のものの方がフォーマルとされています。
デザインはシンプルで、特徴としてはトゥ部分に一本線が入っていることです。「知的」や「誠実」というイメージが出るため、基本的に履いていってNGな場面というのはありません。ただ、近年よく出ているトゥが尖ったデザインのものは印象があまりよろしくないので、ビジネスの場においては控えた方がいいでしょう。ラウンド型のトゥのものが好印象です。
プレーントゥ
フォーマル度で言うと、ストレートチップよりもほんの少しカジュアル寄りです。礼服やタキシードなどに合わせるのは避けたほうが良いですが、ジャケパンスタイルやスーツであれば、何にでも合わせやすいです。結婚式の披露宴ではなく二次会などの場であれば、プレーントゥで対応可能です。
トゥの形は、スクエア型だとややカジュアル寄りになってしまうので、ストレートチップ同様ラウンド型の方が望ましいです。ストレートチップと同じく誠実なイメージがありますが、それよりはやや砕けた印象を与えるでしょう。
ウイングチップ
ウイングチップは、イメージとしては真面目で堅い印象の中に少し遊びの要素が混ざっているという感じですね。ダブルのスーツなど、英国スタイルによく合います。
重厚感があるため、落ち着いた雰囲気を出したい時にはおすすめです。洒落た大人の方がよく履いていますが、いきなり一足目に購入するよりは、ある程度革靴の知識がついてきたあとの2足目、3足目に買うのがおすすめです。
モンクストラップ
モンクストラップには、2種類ありまして、留め具が1つのものを「モンクストラップ」、2つのものを「ダブルモンク」と呼びます。ビジネスの場では、他の人と違いを出そうと履いている人が多い靴です。ウィンドウペンやシャドーストライプなど、スーツ自体がオシャレだとモンクストラップが引き立ちますね。
20代の方が履くと、少し威圧感を与えてしまうので、初めのうちは手を出さない方がいいでしょう。
チップ
今回紹介した中では、一番カジュアル寄りのものがUチップです。フォーマル感の強いイメージを持つ人が多いのですが、基本的には、スーツに合わせるというよりは、ジャケパンスタイルに合わせるのをおすすめします。
少し砕けた印象を与えるため、堅いお仕事の場合には適さない靴です。
まとめ
「ビジネスの場は、自分より年上の方が多くいる場です。自分の思っているカジュアル過ぎないセーフラインがビジネスシーンでは間違っているという可能性まで考えるようにしましょう。革靴の色だけを見ても、明るい色はカジュアルな印象、暗い色はフォーマルな印象などの違いがありますので、場に合わせた色づかいも心がけるといいですよ」(中西さん)
お話を伺った人
雑誌からタレントまで幅広く活躍。女性誌などではメンズ部門を担当、モテコーデやカップルコーデを得意とするスタイリスト。
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