ロウを塗り込んだ耐久性のあるブライドルレザー、乾燥を防いで光沢を出すお手入れ

革にロウを塗りこみ、繊維を引き締める製法で作られるブライドルレザー。英国で1000年もの歴史がある伝統的な製法といわれ、馬具にも使われてきました。耐久性があり、上品な光沢が特徴的な皮革です。
使い始めのときは、革の表面に白い粉がふいているように見えますが、これは革に染み込ませたロウが表面に出てきたもの。この白い粉を「ブルーム」といいます。ブルームは使っているうちに自然と落ち、味わいのある光沢が顔を出してきます。その変化を楽しめるのもブライドルレザーの魅力です。
ブルームは、自然に落ちるのを待ってもいいですが、柔らかい布で乾拭きをしてあげるとそれだけで自然な光沢がでてきます。購入直後に手入れをしたい場合は、乾拭きだけで十分でしょう。油分が豊富な皮革ですが、かさつきが気になる場合は、皮革用クリームで油分を補ってあげましょう。
正しい手入れをすれば、何十年も愛用できるブライドルレザー。その方法を、靴とバッグの修理店doek店長・高見雅治さんに教えてもらいました。


お手入れするブライドルレザーアイテム

お手入れするブライドルレザーアイテム

ブライドルレザーを使用したコインケース。使い始めには出ていたプルームはとれています。


ブライドルレザーのお手入れアイテム

ブライドルレザーのお手入れアイテム

画像左から :柔らかい生地の布(フリース生地がオススメ)/ 馬毛ブラシ / 乾拭き用の布 / 皮革用ローション


お手入れ手順

1. 馬毛ブラシでほこりを落とします。縫い目などは重点的に。

お手入れ手順

2. 指に巻いた布に皮革用ローションを1〜2cm出します。乳液状なので手入れするアイテムによって量を調節しましょう。

お手入れ手順

3. 皮革用ローションを塗り込みます。このローションは表面についた汚れを落とし、皮革に潤いと栄養を与え自然なツヤを出します。シワやひび割れの原因になるのでたっぷり塗り込みましょう。

お手入れ手順

4. 再び馬毛ブラシでブラッシング。ローションを全体にならすよう丁寧に。

お手入れ手順

5. 最後に乾拭きをしてツヤを出す。

お手入れ手順

お手入れ完了

お手入れ手順

油分と水分を入れてあげたおかげで、しっとりした質感となりました。
ブライドルレザーは、革の内部にロウがしっかりと染み込んでいるため、ブルームが落ちた後もしばらくするとまた、ブルームが表面に浮き出てきます。そんな時は自然に落ちるまで使うか、柔らかい布で乾拭きしてあげると、ブルームが革により馴染み、味わい深い経年変化を楽しむことができます。
また、革の天敵は乾燥なので、ブライドルレザーの小物を使っている方は、こまめに触ってあげるだけでも違います。手の油が革に染み込んで、独特のやわらかさが出てくるでしょう。靴はあまり手で触らないので、シワやひび割れが気になってくる前に、油分を補うケアをこまめに行ってあげましょう。
油分が多く、水に比較的強い皮革ではありますが、ブルームがないと水をよく吸って質が劣化してしまいます。雨の日に使用するときは、防水スプレーを忘れずにしたいですね。


お話を伺った人

お話を伺った人
大学卒業後、国内バッグメーカーに6年間勤務。独立開業を目指し、都内百貨店の靴修理工房に転職、高級紳士靴の修理業を学ぶ。その後、靴修理をメインとしたライフスタイルショップの店長を務め、2014年に独立。靴とバッグの修理店doekをオープン。皮革製品の修理、メンテナンス業務を行っている。

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