梅雨シーズンの大敵・カビの対処法

湿度の高い日本の夏。梅雨シーズンから約4カ月間、革へのカビ付着は誰にとっても頭を悩ませる問題です。
「私の経験上、木造の家の1階はとくにカビ問題が深刻です」。そう話すのは、靴とバッグの修理店doek店長・高見雅治さん。国内バッグメーカーに6年間勤務したのち、百貨店の靴修理工房で高級紳士靴の修理業を学んだ、皮革製品の修理・メンテナンスのプロです。何度か自宅を引っ越すなかで、木造の1軒家に住んだときの、カビの発生率が一番高かったと振り返ります。では、大切な革製品にカビが発生してしまったらどうすればいいのでしょうか。カビから守る方法を含め、自宅で簡単にできるお手入れ法を教えてもらいました。


失敗ケース「革靴にカビが生えてしまいました」

革の表面についた白い粉。これはまさか......!
カビを見つけた時の衝撃は、愛用していたものであるほど大きいものです。「部屋をキレイにしていたのにどうして」「お手入れには気を配っていたはずなのに」と落胆するのも無理はありません。でも、湿度が高い梅雨や夏季に、カビを完全に防ぐことは難しいものです。
カビが発生したら速やかに、カビとり専用クリーナーを使うこと。そして、カビが生えた場所の湿気をとることを心がけましょう。


リカバリーアイテム

リカバリーアイテム

カビ取りのモールドクリーナー(スプレータイプ) / ぞうきん2-3枚


カビ撃退のお手入れ方法

  1. 1. モールドクリーナーを靴や小物に直接スプレーします。
  2. 2. キレイなぞうきんでカビを拭うように拭き取ります。
  3. 3. 再びスプレーします。
  4. 4. 先ほどのものではない新しいぞうきんで拭き取り、陰干しでよく乾かします。

せっかくキレイにお手入れしても、カビが発生した場所で元通りに保管すれば、またすぐにカビが生えてしまいます。保管場所の湿気をとるため防カビ剤を置く、あるいは風通しのいい場所に保管場所を変えるのもいいでしょう。靴底にカビが生えることもあるので、立てかけて保存するなど、工夫してみてください。


高見さん流"カビが発生しない方法"

"カビが発生しない方法"として高見さんが普段から行っている方法を教えてもらいました。


手順紹介

1. 乾燥材を用意する。

手順紹介


2. 靴の中に入れる。左のように奥までしっかり入れましょう。

手順紹介


3. ビニール袋(もしくは)ジップロックの中に靴を入れて密閉。

手順紹介

絶対にカビが発生しない方法はこれで完了です。高見さんによると、「この方法を試し始めてから一度も靴にカビが発生したことがない」とのこと。乾燥材を入れて密閉するだけという誰にでもできる簡単な方法なのに、効果は抜群。これから迎える梅雨シーズンに備えて、試してみてはいかがでしょうか。



お話を伺った人

お話を伺った人
大学卒業後、国内バッグメーカーに6年間勤務。独立開業を目指し、都内百貨店の靴修理工房に転職、高級紳士靴の修理業を学ぶ。その後、靴修理をメインとしたライフスタイルショップの店長を務め、2014年に独立。靴とバッグの修理店doekをオープン。皮革製品の修理、メンテナンス業務を行っている。

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