ずっと付き合いたいコードバンの財布。そのメンテナンス法とは

今回はコードバンに関する情報と、コードバンの財布のメンテナンス法をご紹介します。財布のメンテナンス法に関しては、靴クリームメーカーのコロンブスさんにお話を伺いました。


使うほどに深い輝きを放つコードバン

牛や豚など、革製品にはさまざまな動物の革が使用されますが、馬の臀部を使ったものを「コードバン」と呼びます。コードバンは1頭から採れる量が少ないため、希少価値の高い革として知られています。

キメが細かく、牛革よりも耐久性の高いコードバンは、使い込むほどにどんどん輝きを増していくのが最大の魅力。何ともいえない、深い光沢が生まれます。そのうえ手にしっとり馴染む、なめらかな質感も出てきます。一緒に年を重ねていく楽しみが、コードバンにはあるのです。ここでは、そんなコードバンを使ってつくられた、財布のお手入れ方法をご紹介します。


定期的に油を補ってあげよう

馬のお尻の革であっても、表面と裏面はコードバンにはなりません。その中間にある、「シェル層」と呼ばれる層が、コードバンになるのです。削り出したばかりのコードバンは、ヌバックやスエードのように少し毛羽立っています。そこに油を入れて繊維を寝かせることで、美しい表情が現れます。

ずっと付き合いたいコードバンの財布。そのメンテナンス法とは

油で繊維を寝かせているゆえ、コードバンは油分を多く必要とします。月に1回くらいのペースで定期的に油を補ってあげることが、お手入れをするうえでは重要です。特に財布の屈曲部分はひび割れしやすいので、しっかりと油を補給するようにします。

ほかの革製品をお手入れするときと同じように、まずは付着している汚れを取るためブラッシング。次に、コードバン専用クリームを財布全体に塗っていきます。ここで注意したいのが、あまり力を入れ過ぎないこと。クリームは無理にこすらなくても革に浸透するよう作られているので、ハンドクリームを塗る要領でやさしく塗っていきます。乾いたら、再びブラッシングして余分な油分を除去し、やわらかい布でから拭きします。以上でお手入れは完了です。

ずっと付き合いたいコードバンの財布。そのメンテナンス法とは

また、コードバンはタンニンで革をなめしているため、水で洗うことはお薦めできません。汚れが気になる場合は「生ゴム」を使って落とすようにします。

ずっと付き合いたいコードバンの財布。そのメンテナンス法とは

奥行きのある光沢と、しっとりとした肌ざわりが楽しめるコードバン。一生付き合っていくことも可能ですので、抜かりなくお手入れするようにしましょう。


取材先
株式会社コロンブス
1919年創業の老舗靴クリームメーカー。靴クリームの専門メーカーというのは、世界的にみてもめずらしい存在。メイドインジャパンにこだわり、品質の高い商品を世に送り続けている。なかでも2008年に立ち上げたブランド「Boot Black」が人気。

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