財布の側面のキズは、こうして対処できます

革を着色する方法には、大きくわけて「染料仕上げ」と「顔料仕上げ」の2つがあります。今回は染料仕上げの財布に出来たキズの、対処法をご紹介します。対処の仕方については、靴クリームメーカーのコロンブスさんにお話を伺いました。


染料仕上げとは

染料仕上げとは、革を染めて着色する方法のこと。この手法で染めれば、革の質感や温かみを活かした自然な仕上がりになります。そんな染料仕上げは、経年変化を楽しめるのが大きな魅力。使い込むほどに、味わいがどんどん増していきます。ただ、耐水性が低いため色落ちがしやすく、雨染みなどができやすいというデメリットもあるので注意が必要です。

【メリット】
・革本来の自然な質感が楽しめる
・革の色合いや表情の変化が楽しめる

【デメリット】
・キズやシワなどが目立つ場合がある
・耐水性が低く、色落ちやシミなどができやすい


顔料仕上げとは

一方、顔料仕上げとは、革の表面を覆うようにコーティングして着色する方法のこと。この手法であれば多彩なカラーリングができるだけでなく、色むらの無いキレイな仕上がりになります。表面をコーティングするので革本来の質感は無くなりますが、キズや汚れ、水に強く、劣化しにくいというメリットもあります。

【メリット】
・色むらがない
・多彩なカラーリングを楽しめる
・キズがつきにくい
・長期間使用しても劣化しない
・耐水性がある
・革についているキズやシワなどを隠すことができる

【デメリット】 ・革ならではの質感が出にくい
・色が鮮やかになり過ぎる


財布の側面のキズを目立たなくするには

染料仕上げと顔料仕上げにはそれぞれメリットとデメリットがあり、一概にどちらがいいとは言えません。好みや用途に合わせて選ぶといいでしょう。手持ちの財布が染料仕上げか顔料仕上げかは、革に毛穴があるかどうかで判断することが可能。毛穴があれば染料仕上げになります。

さて、財布に出来てしまったキズを目立たなくしてくれるのが、補修用クリームです。1色300円程度で手に入りますので、財布の色に合った補修用クリームと、それを塗るためのハケを用意しましょう。妥当な色味が無い場合は、いくつかのクリームを混ぜることで、財布の色に近づけることが可能です。

染料仕上げの財布

染料仕上げの財布

準備ができたら、キズがついている部分に補修用クリームを適量塗布。すると、みるみるうちにキズが目立たなくなっていきます。たったこれだけで、キズを隠すことができるのです。財布が乾いたら、仕上げに保革クリームを塗って完了です。

染料仕上げの財布

染料仕上げの財布

革本来の風合いが楽しめるけれども、ちょっとデリケートな染料仕上げの財布。もしキズが目立ってきたら、ご紹介した方法を試してみてください。


取材先
株式会社コロンブス
1919年創業の老舗靴クリームメーカー。靴クリームの専門メーカーというのは、世界的にみてもめずらしい存在。メイドインジャパンにこだわり、品質の高い商品を世に送り続けている。なかでも2008年に立ち上げたブランド「Boot Black」が人気。

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