革の特性を知り尽くす、OEM企業だからこそ生み出せる上質な財布

皮革製品のOEMとして事業を展開してきた株式会社山万は、2003年に初の自社ブランドとなるFESONを立ち上げた。日本に脈々と受け継がれる職人技を駆使した財布は、意識の高い男性から支持を集めている。普段はなかなか知ることのできない、FESONの裏側に迫った。


本当にいいものをつくろうと、初の自社ブランドを設立

あるブランドが革製品を販売する場合は、ブランド側がデザインや仕様を企画し、製造はOEM企業に依頼して商品化するのが一般的だ。OEM企業として発展してきた株式会社山万(東京都・江戸川区)も、いろいろな企業から依頼を受け、財布やバッグなどをつくってきた。
したがって山万が請け負う仕事も、クライアントの希望に沿って企画が進むのが一般的だ。そのため、財布の内装には不向きな革を使用したいという依頼もある。革にはそれぞれ適性というものがある。たとえばコードバンやブライドルは高級かつ頑丈な素材で、馬具やトランクといった強度が求められる製品にはうってつけだ。しかし、財布の内装にコードバンやブライドルを使用すると、難しい点がでてくる。
できるなら、革本来の特性を活かした製品をつくりたい。長年ジレンマを抱えてきた山万は、OEM企業としてこれまで培ってきた知識や技術を活かし、「自分たちが本当につくりたいものをつくろう」と、初の自社ブランドであるFESONを立ち上げた。
財布の製造に特化したFESONの大きな特徴は、従来のように縦割り方式で商品をつくるのではなく、スタッフや職人が360°あらゆる角度から財布を眺め、いろいろ意見を出し合って製品化している点だ。その柔軟なスタイルで、質の高い財布を生み出している。

革の特性を知り尽くす、OEM企業だからこそ生み出せる上質な財布


職人技を駆使して描く、なめらかな曲線

FESONは2017年秋冬の新色・新型の商品をリリースした。FESONの製品は両端が薄く、真ん中にいくに従って厚みが増すのが特徴だ。横から見ると山なりになっていて見た目に美しいほか、端が角張らないので手にしっくりと馴染む。
この見事な曲線は、革の漉き方や革の張り方によって描くことができる。言われなければ気づかないかもしれないが、FESONの財布には細部にわたり職人の確かな技が息づいている。
社長の息子である山田康之氏は「いかに一手間、二手間かけられるかです。同業者には『よくそこまでするね』と言われますよ」と語る。
OEMでの経験を活かし、さまざまなこだわりを注ぎ込んだ渾身の財布は、これからさらに多くの人を魅了するに違いない。

染料で仕上げたコバ



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